嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

ベチバー ベリタス / ヒーリー

Facebookの公式によれば、100%天然成分、しかもそのうち「少なくとも」72%が有機成分。
ナチュラルすぎて日本の薬事規制をクリアできず、輸入できないとのこと。
そのためか、日本の公式サイトには掲載されていません。

ちなみにアルコール部分ですら、ベースは有機小麦とラベンダーから蒸留されているらしい。
私は香水に限らず、天然であればあるほど良い!とは微塵も思わない方なんですが
ベチバーベリタスに関しては、サンプルまとめ買いした際に試してみたら、本当に一瞬で心奪われてしまいました。

サンプルは日本に送ってもらえるよ。しかもとっても親切!

ひと噴きすると、まずはくぐもったカーキグレーのベチバーが主役の挨拶みたいに単独で現れます。
そしてそれを堪能する間もないくらい素早く、背後からうっすら清涼感を添えるミントと、こっくり分厚く、少しお菓子チックなグレープフルーツが顔を出してきます。グレープフルーツが濃厚って珍しくてなんだか不思議。

ミントはすぐに飛んでしまうけれど、グレープフルーツとベチバーが隣り合って香り出します。どうやらこの香りの主軸はこれ。

当初はグレープフルーツが強め。
シトラス系は極端に人工的なニュアンスで長く香るか、またはとってもナチュラルかつ短命な場合がほとんどという印象なのですが、このグレープフルーツはなかなかしぶといのに、あまりベタベタツヤツヤとしたケミカルさもない良いとこどりです。

鼻を近づけると、トップから続くベチバーが少しの苦みを帯びて寄り添っているのがわかります。
これがまた良い香りのベチバーなんですよ。清潔に保たれた畳のような懐かしさと高級感があって、それらが相まって謎に高揚すらしてきます。

数分もして肌に馴染むと(?)、これらのグレープフルーツとベチバーがより一層調和して、突如としてやや拡散するような香り立ちとなります。
これ、当初ただ隣り合っていたベチバーとグレープフルーツが、徐々に歩み寄って最後に混じり合っていく過程がはっきりと感じられて面白いです。しかもベチバーがだんだん強まって、その苦みがグレープフルーツに説得力を与えていくんですよ。

以降大きな変化はないまま、天然成分多めという割には数時間しっかりとこの香りが続いて、夏の白昼夢のようになんとも幸せな余韻を残してフェードアウト。

アロマティックでシンプルな香りや、シトラス系にも普段あまり興味はないのですが、これは昨今のいかにもニッチ香水らしい香りの中では珍しくとても気に入ってしまった。
ベチバー好き、シトラス好き、はたまたすべての香水好きに、夏の間に試してほしい香り。回し者ではございません。

ベチバー ベリタス(Vetiver Veritas)/ ヒーリー(Heeley)
Lavender . Mint
Haitian Vetiver
Grapefruit

ヒーリーまとめ

※今日の一曲
忘れていたのでひっそりと追記。梅雨もとっくに終わったこの時期に。

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