嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

ドリス ヴァン ノッテンまとめ

ディスカバリーセット試したので、世界一雑な感想ドリス編、ご参考までにどうぞ。
なんか、好きなアーティストの新譜を1枚ぶっ通しで聴いた後みたいな気分になりました。

DRIES VAN NOTEN DISCOVERY SETS "Collection Modepaleis"

カンナビス パチョリ(CANNABIS PATCHOULI)

Top Note: Bergamot, Cedar Leaves
Heart Note: Sage Incense, Patchouli
Base Note: Vetiver, Musk

ベルガモットとシダーリーフでメンズライクな幕開け。
この葉っぱが、そのへんで拾ったようなやつに鼻を近づけた時にも感じる、
あのスースーする清涼感を伴う割とリアルなやつで好きです。

パチュリやベチバーによって徹底的に彩度を落とされたアーシーな空間に、
インセンスがもやもやと立ち込めて、土の香りと相まって、
本当に雨上がりの森の中にでもいるような香りなんですよ。

まったく華やかさはなく、特に珍しいわけでもなく、
キャナビス感ももちろんないんですけど、私これ好き。
ユニセックス使いしやすい香りでもあるので、旦那をうまく誘導してボトル入手の構え。

サンタル グリーナリー(Santal Greenery)

Top Note: Bergamot, Grapefruit
Heart Note: Violet Leaves, Creamy Fig Accord
Base Note: Sandalwood , White Musk

名前の通り、サンダルウッドが主役の香り。
といっても昨今流行の、ココナッツ強すぎるクリーミーなサンダルウッドではなく、
ちゃんと清涼感があります。

フィグはサンダルウッドにわずかなミルキーさを添えつつグリーンの中心的な構成員として
何らかの苦み(グレープフルーツ?)とほの甘さともに、最後までしっかり香ります。

ミルキーなのに不思議と透明感があって、 なんというか性別や人種などを感じさせないフラットな香り。
フィグ好きの方はぜひ!

ジャルダン ドゥ ロランジュリー(Jardin de l'Orangerie)

Top Note: Neroli Buds
Heart Note: Jasmine, Ylang Ylang
Base Note: Orange Blossom Milk, Sandalwood

ベースにいるはずの、ココナッツ強めのサンダルウッドからなぜかスタートする私の肌。
しばらくするとネロリの存在感が強まり、サンダルウッドとともにクリーミーに香ります。

ミドルにはジャスミンとイランイランがクレジットされていますが、
白い花々がココナッツと相まってかチュベローズ的に感じます。
そこからは大きな変化はなく、ずっと穏やかに軽やかに続きます。

普通にクセのないフローラルが好きで、
尚且つ昨今のクリーミーなサンダルウッド(というかココナッツ)が苦手でない人におすすめ。

ソワ マラケ(Soie Malaquais)

Top Note: Bergamot, Blackcurrant
Heart Note: Rose, Silk
Base Note: Chestnut, Cocoa

まるで切ったばかりのユリの花みたいな、謎に慎ましやかな香りから始まります。
そんなクレジットはないが。

しばし切り花みたいな香りのあと、控えめなローズと、うわさの「栗」が突如、出現。
なるほどこれは面白いし、美味しそう。
栗といっしょにいるせいか、ココアがチョコレートっぽくもあって、
これまた書いてないけどバニラのような甘さもあって、これは良いグルマン!

これはボトル購入候補!なんですけども、
ひとつだけとっても惜しいのは、最後のほう、私の肌の上では時間が経つと分離してしまう。
ローズ+カシスのフルーティさと、栗やチョコやバニラのグルマンが分かれて両方香るんですが
その距離が遠いというか、うまくいえませんが。

いや、それらはそもそも調和するはずのないものなので、離れているのが正解なのかもしれないし
だからこそこの香りは面白いのだとも思うし
それこそが、ドリスの世界観なのかもしれないのですが。

いや、でも、これはボトル購入候補なんですけども。

ネオン ガーデン(Neon Garden)

Top Note: Mint Essence Duo (Spearmint & Peppermint)
Heart Note: Carrot Heart, Iris Accord
Base Note: Musk, Ambroxan

ミントの清涼感が占める第一印象。
すぐにおいしそうなフルーティの酸味が出てきてすぐに消えますが、これは何?

そこからは徐々に、ややツンとするような苦みが出てきて冒頭のミントと並走。
ブラックペッパーのような辛み(?)も強まってくるのですが、
もはや何がどうなってそのように感じられるのかわかりません。

ラストノートには火薬っぽさも出現します。
全体に甘みが少なく、ユニセックスで使いやすい1本。

ブードゥー チャイル(Voodoo Chile)

Top Note: Cannabis Accord, Rosemary
Heart Note: Lentisque, Patchouli
Base Note: Cedarwood, Sandalwood Essence

ジミヘンのあの曲と何か関係あるのか?と思い、公式を読んだらやっぱり関係があった。

とはいえ冒頭のローズマリーはとってもアロマティック。
何かカルダモン的なスパイシーさも潜んでいてスッキリさわやか…
と油断していると、ほんのーり甘いマリファナ臭も見え隠れ。やー、とてもナチュラルな香りですね。

シダーは終始、ツンと苦く低温で鳴り続いていて
もっと時間を経るとサンダルウッドがあやしくさらに立ち上ります。

なんだろう、ブラックペッパーのような、煙のような感じもするんだけどクレジットなし。
いずれにしろ今回試した中でもっとも辛口の香りかもしれません。

フルール ドゥ マル(Fleur du Mal)

Top Note: Peach Juice
Heart Note: Osmanthus, Jasmine
Base Note: Suede, Amber

桃だ…。

このレビューはあいうえお順に並べているが、
試香はディスカバリーセットの箱の左から順にやっていったので、
この香りはかなり終盤、最後から2番目になります。

ここまでいろいろあったところに急に普通に穏やかな桃がくるので、ちょっと面食らいました。
桃、それも結構素朴でおいしそうな、それでいて押しつけがましくなくセクシーさもある桃。+アンバー。
たぶんオスマンサスも一緒にいるんだと思うのですが、
以前から私はオスマンサスの香りに鈍感なのでわかりません。桃しかわかりません。

油断してなるものか、私は騙されないぞ、とか思って身構えていても
最後までずっとクセなく穏やかな桃アンバーです。
例のごとくスエードが行方不明なのですが、
もしかしたら、このさらさらスベスベとした質感のようなものをスエードが担っているのかも。
最後のほうにアンバーがより強く出てきて、この手の香りにありがちな尻切れトンボ感を防いでくれます。

普通にフルーティフローラルの良い香り。お金持ちだったらボトルほしい。

レイビング ローズ(Raving Rose)

Top Note: Pink Pepper, Black Pepper
Heart Note: Rosa Water, Rose Absolute
Base Note: Cashmeran, Musk

甘み少なめで酸味が強め、ややキリッとして生花寄りのローズ。

ブラックペッパーはごく最初期に弾けて以降はあくまで控えめに寄り添う程度ですが、
かなり生々しい、鉄分を感じるローズがわんさか積まれています。
ローズの強い香水を「血の匂いがする」と言う人が時々いますが、
たぶんこの鉄分がその要因。そういう香り。
なんならそれ以外はあまり感じられない、堂々たるシンプルな構成。

ローズ道を究めんとする女子はもちろん、
ちょっとひねりたい男性にも使いこなしてほしい香りです。

ローザ カルニボラ(Rosa Carnivora)

Top Note: Pink Pepper, Rose
Heart Note: Vetiver, Floral Bouquet
Base Note: Patchouli, Cistus

こちらはふわっとやわらかく穏やかな、ピンク色のイメージのローズの香り。

ベチバーで丸められ、フローラルのフレッシュな甘さによってお化粧されたローズで、
パチュリは控えめで、とってもかわいらしいです。
でもウッディのせいか、ガキくさくもありません。好き。
時間の経過に伴う変化は少ないです。

いやがる人もいるのだろうけど、でも私は好きだから言うけど、
ドリスのこのラインナップでもし「モテ香水」とか言われるとしたらこれなのでは?

ロック ザ ミルラ(Rock the Myrrh)

Top Note: Cypress, Pink Pepper
Heart Note: Myrrh, Patchouli
Base Note: Suede, Benzoin

これはちょっと面食らった香り。
お酒っぽい、とてもフルーティな酸味のあるピンクペッパーとミルラが前面に躍り出ますが
ここまで試してきた文脈から明らかに外れて香り立ちがくっきりしています。

でも、いくらフルーティだからといって
かわいらしい、女子っぽい香りなのかなという油断が入り込む隙のないほどミルラがくっきり。

私の肌ではスエードは完全に行方不明で、
ベンゾインらしき甘さは終始並走しているものの
私はミルラ好きなのもあり、なんだかおいしそうに感じてしまい
正直、これはグルマンなのではないか?とまで思いました。ベリー系の。

なんか、よくわからないけど好きな香りです。