嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

オランダ館でオリジナル香水作ってもらった

神戸北野異人館街の一角、オランダ館。

ここは元オランダ総領事邸なのだそうで、大正中期に建てられた木造2階建て。
内部の様子はもう忘れてしまったが、オランダといえばお花の国。オリジナル香水を作ってくれるコーナーがあるのです。

公式サイトによれば

年齢や星座、好きな音楽・花・果物などのデータからあなたの個性にあったオリジナル香水を創ってくれます。
声やしぐさ、人柄まで香りに織り込むとか。

とのこと。

観光地だし、3,000円くらいだし、軽ーい気持ちでお願いしました。

そこはいかにも古い欧州風の雰囲気あるサンルームで、
対応してくれるのは、メイドさん風衣装に身を包んだ若いお姉さん。
香水を調合してくれるのもこの人らしい。
ずいぶん若そうだし、なんかゴスロリ調だし(偏見)ぶっちゃけ大丈夫なのか…?とか思いつつも着席。

簡単な説明を受け、香料の調合に際してのアンケートでは、氏名や生年月日等の基本的なデータのほか
好きな香りの雰囲気(甘いorさわやか、とか)などなど、
割としっかりと香水好きの人にも対応してそうな項目に回答しました。確か。

それから、実際にいくつかの香料を嗅いで、好きな香りや苦手な香りを選んだりもします。この過程だけでもなかなか楽しいです。

そしてしばし待機。
すぐそこで、さきほどのお姉さんがスポイトを駆使し、調香の作業をしている。
これは見ているだけでも楽しいです。

ほどなくして完成した香水は、小さな小さな瓶に入ったパルファン9ml。
もちろんその場で試香させてもらえます。

まずは瓶に鼻を近づけると、ふわっと華やかなお花の香り。
点で肌に乗せてみたら、ベルガモット
絶妙に上品な柑橘の果実と、グリーンっぽい香りがフレッシュに弾ける感じ。

香水ってやっぱりトップにクセが強いものが多く「あーこれニガテ」ってなってしまう場合が多いが、これは好きだと思いました。

そしてすぐに立ち上ってくるメインのノートは、
強く香るのがイランイラン、ジャスミン。たぶん少しのローズも。
大好きな3つのお花が全部乗せ。

常に根底に流れているのはサンダルウッド?
それによって、ただ甘いだけじゃない、
色彩的なトーンを落ち着かせるような大人っぽいオリエンタル感があって、本当に良い匂い。

そのサンダルウッドが、ほんの少しのハニーやバニラの甘みと相まって、かなり長いこと残り続けます。

そう、いま思えば、何かに似てる。ゲランのサムサラです。
サムサラから、バニラをかなり弱くした感じ。

当時、香水の香りというものについてじっくりと考えてみたことなんてまだなかったけど、
これが私の「声やしぐさ、人柄」まで織り込まれた結果の調香なのだとしたら本当に嬉しかったし、
ナメてかかってすいませんでした、と心の中で謝りました。

それと、私、考えてみるとこれが人生初パルファン。
香りが濃厚なのにツーンとしなくて、なんというかムダに飛散しないといいますか。
本当に花の蜜でもまとっているかのような、夢のような幸せな気分になれます。

これはしばらく自分の香りとして使い続けました。周囲の友人たちからも至極好評。

私がフローラルに目覚めたのはこれが契機だったかもしれません。

花の国オランダはダテじゃない。

嬉しいことに、ここの香水は同じレシピで再注文できるシステムになってるんですね。
私も一度問い合わせたことがあるのですが、とても丁寧に、親身に対応していただけました。
そこらへん、観光地のお遊びじゃないガチ感がまた好き。

…すべて10年以上前の話です。

サービスは現在も続いていると思うので、
香水好きな人は、神戸に行ったらぜひお立ち寄りください。


オランダ館 公式
http://www.orandakan.shop-site.jp/