嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

アトラップ レーヴ / ルイ・ヴィトン

ミューズに起用されたエマストーンが、
香りのイメージにとっても合致してて好き。いまさらながら。

第一印象として、これは皆が、心のどこかにずっと住まわせてる「女の子」の香り。
それも、幼い、かわいい女の子じゃなくて
ハイティーンの、少々めんどくさかわいい女の子。

トップからピオニーと、少しだけウッディなニュアンスの大人っぽいローズが全開。
ベルガモットが華やかさを添え、とっても甘くフレッシュな立ち上がり。

まあ絵にかいたようなモテ系香水…かと思いきや、そうは問屋が卸しません。
何か少しロリータレンピカみのある、少しだけツンとして暗い不穏さを孕んでいます。
これは何だろう?アイリスか何かのように感じるけど、それらしいものはクレジットなし。
私の認識しているパチュリとも違うんだけど…

それらが少し落ち着くと、冒頭からずっと下の方で渦巻いていたカカオが、
だんだんと、これまたなんとなく不穏に主張を強めてきます。
ビターすぎない高カカオチョコレートみたいな、おいしそうな香り。

さらに時間がたつと、少しギラっとしたツヤすら感じさせる、砂糖菓子のような謎の甘さが。
鼻を近づけると、これはさきほどのカカオなんだろうか?
バニラのようにも感じられる、かなり甘いチョコレートのような香りが出現します。

冒頭からパワフルに香っていたフローラルフルーティが影を潜める頃には
心地良い苦みも含んだ甘ーいカカオ香が完全に主導権を取り、
随分と印象の異なるグルマンに変わっています。これがラストなのでしょうか。
花や果実のようなフレッシュさはないけど、あくまで透明で重厚すぎない、
上質で上品な、キャバリエさん的なグルマンです。

1時間半~2時間くらいであっという間にここまで来て、
あとはだんだんとゆっくり消えていきます。
しっかりとした香りが長く続くタイプの香水ではない。
それでも、ヴィトンの女性向けの中では、かなりコックリと甘重い部類の香りです。

 

ルイ・ヴィトンLOUIS VUITTON
アトラップ・レーヴ(Attrape-Rêves):2018年

カカオ、ピオニーアコード、ライチアコード、パチョリ、ターキッシュローズ、ジンジャー、ベルガモット

調香:Jacques Cavallier

公式:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/products/attrape-reves-nvprod1160017v