嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

昔の話(1)- ビバーチェとデューベリー

生まれて初めて自分の意志で「ほしい」と願った香りモノの記憶、
香水好きなら誰しもあるじゃないですか。
あと、過去から現在に至るまでの愛用香水の変遷とか、それに伴う思い出など。
私はほかの人(見ず知らずの人含め)のそういったお話を漫然と眺めるのが好きです。

そんな中で、親や祖父母が香水を使っていたので自分も自然と…なんて話を見かけると、
あー香水エリート一家だな!とか思ってちょっと羨ましい気がしたりもします。
私の両親は、どちらかというと香水アンチな人たちだったので、
家の中にそういったものは皆無でした。

それでも、祖母が嗜んでいた香道の影響で、
香りそのものへの興味はなんとなく引きずり続けていて
まだ子供だったけど、おばあちゃんからもらった小遣い持って、あるときドラッグストアへ。

ビバーチェ クールコロン マリンフルール(資生堂

ビバーチェ
生まれて初めて、私が自分で望んで入手したのはコレの水色(マリンフルール)。

なぜ、何をきっかけにこれを望んだのか、という肝心の記憶は皆無。
香りをフィーチャーしたシリーズの製品で、
私が買ったのは、汗をかいた身体に塗ったくるローション?のようなものでした。

その名の通り、マリン系の香り。
いま思うと、ホワイトフローラル+ちょっとフルーティのよくあるシャンプーっぽい香りを、
少し塩味すら感じるような、当時そこそこ目新しかったであろうマリン系が包み込んでいて
何ですかね、ほかにもいくつか香りの種類があったかと思うのですが、
店頭で試して、幼い私はこれが気に入ったんでしょうね。さわやかな香りでした。

もちろんすでに廃盤となっておりますが、
現在も根強い人気があるようで、フリマサイト等で高額で販売されています。
余談ですがこれ、4年もかけて開発してたんだな…

デューベリー オードトワレ(ザ ボディショップ

ビバーチェ後もしばらくは、香りをフィーチャーしたシャンプーとか選んで使ってた気がしますが
だいぶ時代は下り、高校生になったばかりの頃のある日、
友達とチャリの2人乗りをしていて、
ハンドルを握る彼女が紅茶のような不思議な香りを纏っていることに気づき、
何か香水をつけているのかと尋ねると、「ボディショップのムラサキのやつ」との回答をいただきました。

彼女は同世代の友人たちの中ではずば抜けてやたらと大人っぽく、
歳の離れたハワイ在住のお姉さんがいたせいか、私の知らないことをたくさん知っていて
とても魅力的な人だったので、彼女の香りもまたとても魅力的に感じました。

さてその日のうちにボディショップへ出向くと
困ったことに、「ムラサキの香水」と思われるものが2点売られていました。
ひとつは赤むらさき色のラベル。伝説の「アナーニャ」です。

これは現在の香水沼住民にも、元愛好者が多いように思います。
今もフリマサイトでものすごい額で売られていて、
しかもちゃんと買い手がついているという…

だがしかし、店頭のその2つのムラサキを試しに嗅いでみると
私が求めているのは青むらさき色のラベルの「デューベリー」の方だと、
すぐに判別することができました。

デューベリー
デューベリーという果実そのものを私は知りませんでしたが、
何かそれらしい、いかにも「黒いベリー」的な渋みと酸味のある甘いフルーティに
いま思うとベルガモットか何かじゃないかと思うのですが、
何かパッと花開くような華やかさが添えられていて、まさにフレーバー紅茶みたい。

これは今でも好きな香りで、香水として纏うことはないものの、
お守りみたいにボトルを持ち歩いて嗅ぐと元気が出ます。
廃盤になって一度は復刻したものの、現在はかなり貴重な品となっていて
やはりフリマサイト等にときどき出回るのですが、アナーニャほどは頻度が高くなく
実は毎日のようにチェックして買い集めたりもしています。