クール バタン / ルイ ヴィトン
いやいやいや、
いやいやいやいやいやいやいやいや…
いや、いやいやいやいや
という第一声。初めて試したとき。良~い香りでした。
ただでさえ少ない語彙力がゼロになってしまった。
ときどき、何かがアタってバカ売れした末に「モテ香水」とかいわれちゃって、
若者がみんなこぞってつけすぎちゃうような、そういう性質の香水が、この世にはありますね。
香水マニアの人々からはあまり良く言われないことが多い気がするこの手の香り、
とはいえそのような香水は若い女子だけでなく男、子供、中高年と属性を問わず、
なんだかんだ言ってもこの国の多くの人々から「良い香り」と思われやすい香りであることが多く、
非常に大雑把ないいかたをすると、クールバタンはそういったタイプの香りの、
品質を極めに極めたような香りだと思いました。いや本当に大雑把すぎるな。
というわけなので、全体にフルーティとホワイトフローラルです。
トップには濃厚~な洋ナシの香りが前面に。
なんかもう本当に洋ナシを絞って粘性の高い果汁が滴っている絵が目に浮かぶような。
私はフルーティは苦手な場合が多いのですが、この洋ナシ?
何やら焦げたような、カラメルのような、少し苦い濃厚さをなぜだか孕んでいるように感じられ、
嗅覚が鈍いのでアテにはならないが、その苦みのせいもあってか子供っぽくなく、
安っぽくなく、シャンプー感もなく、おかげさまで、今のとこ香り酔いの兆候はまったくありません。
これが落ち着いてくると、だんだんホワイトフローラルがじわじわと浸み出すように香ってきます。
ええ本当に、浸み出すように、下の方からじんわりと。
鼻を近づけると、ちょっとローズっぽく感じる時間帯もあった。
イランイランだかジャスミンだか出所はわからないけど、あくまで透明感ある中に
少しだけエキゾチックな、妖艶さがあるホワイトフローラル。
フローラルはだんだんとムスク(アンブレットシード)感に取って代わられながら、
それでもちゃんとフルーティも孕みつつ、意外としっかり、朝つけて夕方まで続く。
そして少しずつ消えていきます。
いやー。定番として1本持っていたい香りです。石油(略
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
クール・バタン(CŒUR BATTANT):2019年
ペア(洋梨)、エジプト産ジャスミン、イランイラン、パチョリ、アンブレットシード、ナルキッソス
調香:Jacques Cavallier
公式:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/products/c%C5%93ur-battant-nvprod1780069v