アナザー 13 / ル ラボ

初めて嗅いだときは、なんだか衝撃的でしたよ。
この香りに関しては、今もうまく言葉にできませんが、手のひらサイズの子ウサギか何か嗅いだらこんな匂いがしそう（絶対しない）。

最高の1本！とかは全然思ってないんだけど、これは自分の中では「究極のケミカル」。

いや実際ケミカルなのかどうかは知らん。
でも、天然香料デーーーース！っていうタイプの香りにありがちな、
悪くいえば不安定そうな感じがなくて、誰がいつ使ってもちゃんと同じに香りそうな。
個の力に依存しすぎず再現性が高い、戦術バリバリのペップのサッカーみたいな…
うまくいえないけど、そういう感じがする香りなのです。

いや、繰り返しますが、すべて私の中のイメージでしかなくて、
実際にはどうなのかわかりません。

一般的な香水のラストノートだけが、最初から最後までずっと続くような香りでもあります。
ラストノートというものは、何か特定の苦手な香料がよほどピンポイントで入っていない限り、
だいたいみんなそれなりに好きじゃないですか？（と、私は勝手に思ってる）
スパイスとかシトラスみたいなツンツンする系の香料がいなくなってるし。
クセも少ない傾向にあって、その分、ある意味で似たようなものが多くて、
「個性」みたいなワードはあまりそぐわないんだけど。

まさにそういう感じです。冒頭から、メインは少しくぐもったムスクとアンバー。
ジャスミンとかは正直、私はよくわかりません。
サンダルウッドは少し感じます。ここはちょうど、私の好きな塩梅です。
それに伴うものなのか何なのか、少しクリーミーな感じも出てきます。

この「いきなりラストノート感」が、なんとも奇妙な印象を抱かせるのか？
とにかく、香りそのものはそう目新しいものではないはずなのに、
何か奇妙にインパクトがある存在なんですよ。わかってほしい、この感じ。

男女問わず、季節問わず、時間帯問わず使えそうな点も奇妙に安定感を醸しています。
もちろん、体調次第で厳しいこともあると思うし、好き嫌いもある香りだとは思うんですけど。

そして、とんでもなく長持ちします。
一度、就寝前にコレつけて、翌朝には地中海の庭をつけて出勤し、
夕方に地中海がほぼいなくなりかけたその下から突き破るように、
まだまだずっと香ってましたよ。怖いよ、もう。

ル ラボ（LE LABO）
アナザー 13（ANOTHER 13） Type：EDP
Launch：2010年
Perfumer：Nathalie Lorson
Notes：ムスク、ジャスミン、モス、アンブレットシード