嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

香木を売った(3)

qfr.hatenablog.com

 

のつづき。

1軒目、お香屋さん。

このお店は、メールで問い合わせた際にいちばん食いつきが早かったお店でもありました。
対応もいたって丁寧で、ビジネスとしても違和感なし。

いかにも今どきなWEBサイトもありますが、
志野流や御家流などといった由緒正しい香道というよりは
もっとこう、親しみやすい手作り香(香り袋とか練り香とか)のオンライン販売や、
お香作りのお教室をメインとしている模様。あくまで模様であって、実態は知らない。

そんな中になぜか「香木鑑定」のメニューが独立してあり、
丁寧に説明が書かれていたため、一定の安心感を抱いて問い合わせることができました。

スマホ片手に某下町のそこを目指すと、だんだん良い香りが漂ってきました。
小綺麗なビルの一室で、奥では今まさにお教室の真っ最中っぽい。
美しい中年女性に案内され、事務室らしき部屋へ。
いかにも中小企業の営業所って感じの、少し雑然とした部屋でした。

ほどなくしてボスっぽい中年男性登場。
作務衣を身に着けてセカセカした人。コテコテの関西弁。
ああ知ってる。こういうオッサン知ってる。昔大阪に出張したときこういう人いた。

ボスの前には香炉が置かれていました。
不勉強なものでよくわかりませんが、香道で使用するあの筒形の香炉ではなく、四角いもの。
中はたぶん灰で満たされているが、目が悪いのでよく見えなかった。
火はすでに入っているものと思われます。

こんにちはー!よろしくー!という感じであいさつもそこそこに
せわしなくナナメに座り、「削っても大丈夫ですかね~?」と
カッターで少しずつ削った香木を香炉に配置し、ささっと、しかし何度も嗅いでいく。

「コレはインドネシア沈香やね~」
「コレは伽羅かな、沈香かな。グレーやな~~~~~」
「これは良い伽羅やね。ウチで引き取るならグラム2万円出すで」

相当、気さくな感じでサクッと高額も提示してきます。
グレーと感じるものに関しては、何度も何度も削り直し、嗅いで確認してくれました。

結果、

  1. 大モノ(113g):伽羅といっていいけどランクは微妙。部分的にバラつきがあるかも。今この場で即引き取り価格提示するのは難しい。
  2. かつおぶしくん(34g):見てすぐにわかる、インドネシア沈香。5と合わせて¥12,000ってとこやろか?
  3. ずっしり様(18g):かなり良い伽羅。グラム¥20,000出す。ぜひウチに!
  4. 双子ちゃん(7g):わりと良い伽羅。グラム¥20,000出す。ぜひウチに!
  5. 木材さん(6g):インドネシア沈香。これも見た目でわかる。

とのこと。スゲー。一部とはいえ本当にグラム○万の伽羅だったのか。いやはや…
ということは、まだまだある銘つきの香木も、
箱入りの香木も全部売ったらきっとマジでヤベエな。売らないけど。

私は相みつ取りますなどとは言わず、丁寧に礼を言って事務所を出ました。
ボスはかなり惜しそうに、いつでも相談乗るから!現金出すから!と見送ってくれました。

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へつづく。