嗅覚が鈍い

嗅覚が鈍いです

ラブローズ / ローレル

2013年の冬、北海道へ2泊の出張を済ませ、
仕事というより夜の接待と移動の連続にヘトヘトになり、
ひとりグッタリしつつも、けだるい気分で
新千歳空港のお土産コーナーを満喫しておりました。

そこへ、どこからともなく漂ってくる良い香り。

ラーメンではありません。それは何やらコスメっぽい香りでした。
空港には場違いな香りと感じつつ、とても好ましい香りだったので、
引き寄せられるように発生源を探しました。

そして、すぐに見つけました。それがローレルというコスメ屋だったのです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、北海道発の当時ローカルだったお店です。

パッと見た感じはロクシタンのような雰囲気です。
ハンドクリームやスキンケア、シャンプートリートメント、
そしてフレグランス等のコスメがひと通り並んでいる感じ。
香りをウリとしていて、香りごとのシリーズに分かれているようです。
それでいてロクシタンよりも全体にお手頃価格であるように見受けられます。

偏見かもしれんけど、ボディショップとかサボンとか、この種のお店って
実際に使用するか否かはともかく、覗く分には嫌いな女の人はそうそういないのでは?

ふらりと足を踏み入れると、ちょうど女性の店員さんが寄ってきたので
店頭でモクモクと香っているこの香りは何なのか?と尋ねたところ
その答えがラブローズでした。ラブローズという名のアロマオイル。

名前の通りローズの香りです。
青々しすぎず、かといって人工的すぎず
それこそロクシタンのローズのような、まあ香りモノとしてほどよい甘さのローズ。

それが主体ですが、私がこれだけ惹かれたのはどうも
少しウッディな要素を感じたからだったのだと思います。

サンダルウッドでしょうか?何か、絶妙に奥行きを感じさせる香りが入っています。
のちに店員さんに尋ねたところ、ジャスミンも入っているそう。
おそらくこのあたりによって、ありがちな青々しさとは違ったさわやかさ、
それと相反する妖艶さも加わり、 全体に厚みが出て
子供っぽくも、ありきたりでもない、しかしわかりやすいクセがあるわけでもない
私好みのちょうどいいローズ香に仕上がっていたのかもしれません。

飛行機待ちだった私はあまり時間がないことに気づき、
お土産にこのラブローズと、あと2種類ほどの練り香水
(ひとつ1,000円しなかったような)をお買い上げ。
そのまま帰路につきました。

何が悔やまれるって、帰京してから調べたところ、
ローレルは首都圏にもいくつか店舗があり、後日訪ねたのですが、
ラブローズはクリスマスシーズンの限定品だったとかで
入手することができなかったのです。

通常ラインのローズがあるというので嗅いだのですが、
まあ、まったく別モノと感じました。
良い香りなのですが、私が惹かれたあのウッディ感はまったくなくて
とてもシンプルというか、スッキリとしすぎて香りがか細い。

それどころか、ローレルというお店自体が今はもうなくて、
シロというブランドに変わってしまったようです。

余談ですが、ローレルにしろshiroにしろ、
自然素材をウリとするコスメ屋で、比較的安価で、
特に香りに対するファンはとても多かったようなのですが、
度重なるブランド変更(LAUREL→shiro→SHIRO)で、
今はもうほぼ面影がないお店に変貌してしまっています。

それでもフレグランスにはそれなりに力を入れているようで、
以前と異なり高価なラインが発売されており、サロパにも出展していたものの
特に良い意味で話題になってはいなかったように感じます。
私も嗅いでみましたが、いずれも無難に良い香りで、グッとくるものはなかった。

あのときお土産と思って買った練り香水は、
結局自宅ですべて自ら開封し、何度も何度も嗅いで、使いました。
どれも本当に良い香りで、人に贈る気にはどうしてもなれませんでした。

令和になろうという頃に久しぶりに嗅いだ練り香水は、
すでにただの油の香りのみを発しており、見る影もなし。

なんで香水を買わなかったんだろう、なんでそこで変にケチってしまったんだろう。
今でも後悔しています。